学問・資格

2011年6月12日 (日)

「宗教と社会」学会プロジェクトに承認されました。

2011年6月11日に開催されました「宗教と社会」学会2011年度総会(@北海道大学)において、学会プロジェクトとして承認されました。当座2011年度から3年間の予定で進めます。今後、広く参加メンバーを募りつつ、研究を深めていきたいと思います。プロジェクトへの参加希望の方は代表連絡先のメールアドレス(aquillax@leh.kagoshima-u.ac.jp〔@を半角に換えてください〕)までご連絡ください。
以下は、趣意書(一部改編)です。

「戦争死者慰霊の関与と継承」プロジェクト 趣意書
【名称】「戦争死者慰霊の関与と継承」プロジェクト
【略称】「慰霊関与」プロジェクト
【発起人】西村明(代表)、粟津賢太
代表連絡先:西村明(鹿児島大学准教授)
〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-30 鹿児島大学法文学部
email: aquillax@leh.kagoshima-u.ac.jp(@を半角に換えてください)
【目的】
  慰霊をめぐる研究は、1970年代以降、特に靖国神社や忠魂碑といった慰霊施設の性格をめぐる議論から徐々に活発となり、戦後50年を過ぎると、歴史学・民俗学をはじめ、具体的な事実の掘り起こしも進んだ。さらに近年は、戦争に限らず、広く慰霊現象への注目が若手研究者の中にも起こってきている。しかしながら、それらの慰霊研究の現状は、いまだ十分に宗教研究の主題としての深化が図られているとは評し難い段階であると言える。例えば、これまで十分に議論の俎上に乗せられていないテーマの一つとして、戦争死者とつながりの深い戦友や遺族といった直接的関係者ではない、次世代や第三者の慰霊への関わりを挙げることができる。こうしたテーマは、アジア・太平洋戦争から65年が過ぎた現時点において社会的にもアクチュアルなものであるとともに、宗教体験や死者の記憶の継承・伝播という宗教研究史上のテーマとも類比と接続が可能なものである。
そこで、本研究プロジェクトでは、戦争死者慰霊の関与と継承の問題に焦点を当て、国際比較の視点も導入することによって、研究の深化を図ることを目的とする。
 本研究プロジェクトでは、戦争死者慰霊のテーマに関心を抱く日本国内を対象とする研究者をはじめ、日本の事例にとどまらず海外の研究を行う国内外の研究者も招いて、国際的な研究ネットワークを作ることも目的としている。さらには、戦争死者慰霊にとどまらず、広く慰霊や記念行為に関心を抱く研究者にも参加を呼び掛けることで、慰霊研究、死者儀礼研究の進展に寄与せんとするものである。以上のような目的のもと、研究プロジェクトチームを「宗教と社会」学会内に設け、関心を共有するメンバーを募って調査研究を実施して、成果を広く公開することとする。

【領域】
 本プロジェクトでは、上記の目的の下、具体的に以下の二つの問題系をサブテーマとして設定する。

A戦争死者慰霊の世代間継承の展開
 従来の戦争死者慰霊研究では、靖国神社や招魂社の成立や戦死者慰霊の形態の源流などを辿るような単線的な系譜理解がほとんどであり、戦後の多様な慰霊形態へとつながる複線的系譜理解はいまだ十分ではない。実際には同じ死者を対象とする慰霊であっても世代間の継承の過程で多様な展開を見せている。一定の時間の幅のもとで動態的に把握することによって、現在の慰霊の在り方を規定し、構成するいくつかのパターンを抽出することが可能となるだろう。
Bサードパーティーの慰霊関与と、当事者・直接関係者との関係構築の技法
 慰霊の現場は、死者と直接的な関係を有する戦友や遺族、戦争体験者等の当事者・直接関係者と、直接的な関係性を持たない形で慰霊への関与を行う僧侶等の宗教的エージェント、観光業者・行政・NGO等の世俗的エージェント、当該地域の非体験者等のサードパーティーから構成されるが、サードパーティーが慰霊の形態に及ぼす影響や当事者との関係性についてはこれまでの研究では断片的な言及に止まっている。世代間の継承だけでなく、こうした同時代的なサードパーティーの関与も視野に入れることによって、慰霊の持続と変化をもたらす要因についてより明確な理解が可能となるだろう。
 
【計画】
・プロジェクト期間:2011年6月から3年間(必要に応じて期間延長)
・原則、年3回以上の研究会を実施し、研究発表、調査打ち合わせ、調査報告を行う。
・文科省科研費などを申請活用し、共同で調査研究を実施する。
・国際的な研究動向も視野に入れ、戦争に限らない慰霊や記念行為の研究を広く社会へ公開することについて具体的な検討を行う。
・研究成果を、「宗教と社会」学会をはじめとする各種研究発表会、インターネットサイト、出版などによって公開する。

【研究会の参加予定者(発起人の二人を除く、2010年11月段階)】
森謙二、村上興匡、土居浩、清水克行、中山郁、ベン・ドーマン、小林奈央子

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